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メイドくん制作中(1話*01)

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pixiv (挿絵つき)/Arcadia (ID登録不要)

FLASHノベルゲームのシナリオファイルを投稿してみました。ほら、あれですよ。リアクションとかもらえないと、制作のモチベーションを維持出来ないのですよ。内容は夏コミで配布したのとほぼ一緒です。このサイトで公開してるのはバージョンがかなり古いので、冬コミ参加の機会にWeb版も更新予定です。うん、頑張ろう。

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皆さんはメイドさんと聞いてどんなイメージを抱くでしょうか? え? ええっ? えっちなのはいけないと思います!>< ・・・そんな夜のご奉仕的な妄想系メイドさんは別として、普通はお掃除とか片付けとかしてくれる姿を思い浮かべる方が大多数かと思います。
そんなメイドの中のメイド、まさにメイドと言えばこのイメージ!というメイドさんが、ハウスメイド(House Maid)です。強引に直訳してしまうと家女中ですが、普通に日本語でメイドって言えばこのメイドさんが該当するんじゃないでしょうか。


お仕事の内容は、家事全般。掃除機のない時代ですから、掃除にかなりの時間を割いていたようです。もちろん掃除以外にも、ベッドメイクや日用品の補充、お風呂や暖炉に灯りの用意まで幅広い仕事を担当していました。基本的に台所女中(キッチンメイド)や洗濯女中(ランドリーメイド)といった専門職メイドさんの担当区分以外は、全て家女中(ハウスメイド)の仕事と言って差し支えないでしょう。
ちなみに多くのメイドを雇えない小さい屋敷では、専門職メイドさん達の仕事を肩代わりして何でも対応しなければなりませんでした。「メイドくん」作中には出てきませんが、そんな全ての職種を兼ね備えなければならないメイドさんを雑役女中(メイド・オブ・オールワークス)と呼びます。


せっかくなので今回は、家女中(ハウスメイド)の一日を紹介します。


まずは朝、起床は6時ぐらいです。暖炉に火を入れるところから一日の仕事は始まります。基本的にハウスメイドは、御主人様の家族や客人に姿を見せず「妖精のように」仕事をすることが求められました。そのため主人達が起きてくる前に、ひと通りの掃除を済ませておく必要がありました。午前中に使われる予定の朝食室や応接間、玄関ホールなどの掃除を行い、カーテンを開けて朝の新鮮な空気を取り込みます。
奥様を起こすのは、ハウスキーパー(家政婦)の仕事です。しかしそのハウスキーパーを起こすのは、ハウスメイドの仕事でした。下位使用人であるハウスキーパーは、上位使用人達の世話も仕事のうちだったのです。


使用人の朝食は朝8時ぐらいに、仕事の合間を見計らって手早く済ませます。ようやく主人達が起きてきて朝食室へ行くのは、朝9時から10時ぐらいの間。すかさずハウスキーパー達は寝室へ突入。ここでも階上の人々の目を避けつつ仕事をします。掃除、ベッドメイク、小物の用意、全て部屋の主が居ないうちに済ませました。あと、トイレの片付けも大事な仕事でした。
どうでもいい話ですが、「メイドくん」の作中は史実のようなおまるではなく、ちゃんと個室のトイレがある設定です。そこはファンタジーで! 史実の中世おトイレ事情は、調べてみると面白いかもしれませんよ?


午前中はとにかく掃除です。メイド服も午前中は掃除用デザインで、午後用の制服とは違うものを着ていました。日常的な掃除の他、ローテーションで大掛かりな掃除や補修も行っていました。月曜日は玄関ホール、火曜日は応接間、といったカンジです。
掃除といっても単にゴミやホコリを掃くだけではなく、磨き掃除も含まれていました。木材、石材、金属と、磨くものによって掃除道具も異なります。想像しただけで腰が痛くなってしまいそうな重労働でした。特に冬の暖炉磨きが辛かったみたいです。


お昼の12時に、使用人のディナーとなります。当時の労働者階級は、昼食がディナーでした。ちなみに主人達の昼食は13時頃。昼食の後は洗濯物の回収とか掃除の続きとかをして、15時過ぎにはひと通りの仕事が落ち着きました。ようやくお茶の時間となり、ひと息入れることが出来ました。
お茶の後に重い仕事はありませんでした。主人達の行動を予測して使われるであろう部屋へ先回りして、軽い掃除や整頓、暖炉や灯りを用意するなどして快適な住環境を維持するぐらいです。そして主人達が部屋から出て行けば、やはり速やかに片付けをしました。


他には主人の家族や客人達の呼び出しに応じて、あらゆる雑用を行いました。その中には、腰湯の用意なども含まれます。史実のヴィクトリア朝時代にはお風呂はまだ一般的ではなかったので、タライに湯を張ってお風呂代わりにしていました。そのお湯はもちろん、ハウスメイド達が運ばなければならなかったのです。「メイドくん」作中ではフィクションらしく、普通に浴室が出てきますけどね。
夜8時ぐらいに主人達の夕食があるので、その準備と片付けをして、さらに寝室の用意をすれば一日の仕事はお終いです。夜9時に自分達の夕食を摂り、その後は自由時間でした。22時過ぎには戸締まりと消灯をして、就寝していたようです。


これがメイドさん達の標準的な一日です。いかがだったでしょうか? 夕食会や舞踏会などがあって、多くの客人が訪問している時などはもっと多忙でした。さらに今回紹介したのは大きな屋敷で働くメイド達のパターン。彼女らは大人数で役割分担していたので一人当たりの仕事量が少なく、比較的恵まれていました。
逆に一人で全ての仕事をしなければならない小さな屋敷のメイド・オブ・オールワークス(雑役女中)は、ここで紹介したスケジュールよりはるかにハードな日々を過ごしていました。実はメイドさんの大半は、後者だったと言われています。「メイドくん」に出てくるメイドさん達は、かなりラッキーな部類だったりするのです。

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イギリスは格差社会の国です。階上の人々(貴族階級や紳士階級)と階下の人々(労働者階級)を分け隔てる壁は、絶対的なものでした。「二つの国民」というフレーズが有名ですね。しかし、人々を区分していた階級は、それだけではありません。階下の人々の間にさえも、階級差別は存在していたのです。むしろ使用人達の間での差別の方が、メイド本人にとっては直接的かつ切実な問題だったのではないでしょうか。
まぁ、今の日本にだって、企業内の経営層・管理職・平社員の壁とか、正社員・契約社員・派遣社員の壁とかありますからね。国や時代が違っても、その辺りはあまり変わらないのかもしれません(汗。


使用人達の階級は、まずは職種によるクラス分けがされていました。上級使用人と、下級使用人です。もっとも「二つの国民」みたいな出身依存の階級と違って、努力と才能と運次第では、経験を積むことで上位の職種へクラスチェンジすることが可能でした。代表的なところではこんなカンジです。


小姓(ページボーイ)→ 従者(フットマン)→ 執事(バトラー)
家女中(ハウスメイド)→ 蒸留室女中(スティルルームメイド)→ 家政婦(ハウスキーパー)
洗場女中(スカラリーメイド)→ 台所女中(キッチンメイド)→ 料理人(コック)


さらに同じ職種の中でさえも、序列付されていました。序列によって食事の時に座る位置さえ決まっていたそうです。軍隊並の階級社会です。体育会系です。ちなみにメイドの代表選手ともいえる家女中(ハウスメイド)では、こんなカンジです。


アンダー・ハウスメイド → ヘッド・ハウスメイド
サード・ハウスメイド → セカンド・ハウスメイド → ファースト・ハウスメイド


ですから日本語のメイド長に相当するのは、ヘッド・ハウスメイド(Head House Maid)、もしくはファースト・ハウスメイド(First House Maid)辺りが妥当でしょうか。たまにハウスキーパーを指してメイド長って訳すこともあるみたいです。家政婦よりも、メイド長の方が響きが萌えるからでしょうか。
「メイドくん」の作中のメイド長は、上司というよりは、バイトの先輩みたいな位置付けをイメージしてます。ほら、フィクションの中でぐらい、仲間の同僚達と楽しく仕事しててほしいじゃないですか。面倒見が良くって部下や同僚から慕われる先輩像って素敵ですよね。

メイドと言えば、メイド服! カチューシャ! エプロンドレス! フリル! これがなくてはメイドは語れません。メイド服にも色々とありますよね。ピンクやイエローといったウェイトレス風の原色系も可愛いのですが、ボク的に断然好きなのはクラシックな黒!
そんな超個人的な趣味嗜好から、「メイドくん」の作中におけるメイド達(キッチン系は除く)は黒のメイド服を着てもらっています。デザイン自体はヴィクトリアンメイドとはかけ離れちゃってますが、そこはご愛敬で。


そんなメイドがメイドであるためのシンボル的アイテム、メイド服。彼女らがメイド服を着るようになったのには目的があります。その目的とは、「可愛いから」ではありません。じゃあ何のためかって言うと、正解は「差別」のため。シビアです。かなり世知辛いです。夢も浪漫もありません。ヴィクトリア朝時代の人達は、もうちょっと「萌え」とか研究するべきです。<違


元々、女性使用人には制服なんてありませんでした。奥様やお嬢様が着古した洋服の、お下がりをもらって着ていました。そのため昔のメイドさんは、ちょっと流行遅れの、でも奥様達と同じような服を着ていました。リサイクルでエコロジー。ここまではOKです。
ところが、今どんな服が流行っているのかなんて、興味ない人には区別付きません。服を買うならユニクロかジーンズメイト!みたいな連中にとっては、どの服もみんな一緒に見えます。そんなボクみたいな困った人達は、ヴィクトリア朝時代にもしっかり居たようです。
女性のファッションセンスから奥様とメイドを見分けることは、彼らにとって至難の業でした。奥様と思って声を掛けたらメイドだった、もしくは逆に、メイドと思って用事を言いつけたら高貴なお方だった。そんな事件が多発してしまいました。


そこで登場したのがメイド服。差別のための制服です。さすがにメイド服を着ていれば、彼女がメイドだと誰にでも分かります。こうして奥様は、メイドと間違えられるというトラブルを避けることが出来ました。そして現代日本に生きるボクらは、メイド服に萌えることが出来るようになったのです。めでたしめでたし。


そうした歴史もあって、ヴィクトリア朝時代のメイド達はメイド服を着ていました。でも例外がありました。上級使用人に相当する役職では、メイド服を着なくても良いという特権が与えられていたのです。一人は女性使用人のトップであるハウスキーパー(家政婦)。もう一人がレディーズメイド(Lady's Maid)です。ウェイティングメイドとも呼ばれ、侍女と訳されることが多いようです。
侍女は、奥様もしくはお嬢様直属のメイドでした。奥様の身の回りのお世話はもちろん、ドレスの着付けや髪結い、針子や帽子作りといった仕事をしました。いつも一緒にいることから、おしゃべりの相手として、また良き相談相手としても頼りにされたことでしょう。主人直属の使用人であるヴァレット(近侍)の、女性バージョンとも言えます。


メイドの中ではトップエリートである彼女には、多くの特権が与えられていました。先述のメイド服を着なくて良いというのも、特権の一つです。奥様やお嬢様からもらった、お下がりのドレスで着飾ることが許されていました。綺麗なレディーズメイド(侍女)を伴って歩くことは、奥様にとっても誇りでした。
また、ハウスキーパー(家政婦)の人事権が及ばない、数少ない存在でもありました。レディーズメイドの人選は、奥様自らが行いました。上流階級の人々が住まう階上の世界に、最も近い位置にいるメイドでした。


あ、「メイドくん」の作中では、社交シーズン中のため奥様のお供で帝都に出掛けてしまっているので、カントリーハウスは留守にしています。そのため出番はしばらくありません。

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男性使用人の次は、いよいよ女性使用人の紹介です。まずはハウスキーパー(Housekeeper)。家政婦と訳されることが多いようです。家政婦と聞くとつい「家政婦は見た!」みたいな掃除のおばちゃんをイメージしちゃったりしませんか? 少なくともボクはそんな印象です。でもヴィクトリア朝時代のハウスキーパー(家政婦)は、そのイメージとは全然違います。何しろ女性使用人のトップ。バトラー(執事)に並ぶ、最上位の上級使用人でした。んー、家政婦以外のいい訳ってないのかなー。たまに女中頭っていう訳も見掛けたりはしますね。


男性使用人達がバトラー(執事)の管理下なら、メイド達の大半はハウスキーパーの管理下に置かれました。一部の例外はコック(料理人)やレディースメイド(侍女)ぐらいです。メイド達の雇用や人事、そしてマネジメントがハウスキーパーの主な仕事でした。奥様の補佐として、家計の収入や支出も管理しました。
マネジメント業務以外では、備品や食料品の管理もハウスキーパーの仕事です。バトラーの担当が銀食器なら、ハウスキーパーは陶磁器やリネンを管理しました。また、紅茶の時間に必須となる飲み物とお菓子はキッチンではなく、ハウスキーパーが管理する蒸留室で用意されました。ケーキやビスケット、ジャムといった軽食を作っていたようです。また、ハーブの蒸留といった民間療法のスキルも求められました。


とっても偉いハウスキーパー(家政婦)ですが、その地位の高さを示すエピソードが幾つかあります。まずハウスキーパーは、既婚、未婚を問わず、敬意を込めてミセスと呼ばれました。また、使用人の証である「メイド服」を着る必要もありませんでした。
そしてハウスキーパーのシンボル的な小アイテムが、鍵束です。その仕事柄、貯蔵庫やあらゆる部屋の鍵を持ち歩く必要があったのです。ジャラジャラと鍵束の音が鳴るのはハウスキーパーが近くまでやってきた合図で、その音を聞くだけで下級使用人は思わず「ビクッ」としてしまったそうです。その気持ち、ボクにもとてもよく分かります(笑)。


また、ハウスキーパー(家政婦)には私室が与えられました。メイドの面接なども、ハウスキーパーの事務室で行われたようです。下級使用人としては、きっと呼び出されたくない部屋ナンバーワンだったのではないでしょうか。
さらにハウスキーパーには、専属のサポートメイドまで付くことがありました。スティルルームメイド(蒸留室女中)です。使用人に仕える使用人。何だか本末転倒な気がしないでもありませんが、将来のハウスキーパー候補生といった位置付けでもあったのでしょう。マイナーなメイドなので、スティルルームメイドまでは「メイドくん」には出てきません。

階下の人々6:バトラー(執事)

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男性使用人と言えば、代表格はやっぱりバトラー(Butler)でしょう。もちろん執事のことです。「黒執事」のセバスチャン、「ハヤテのごとく!」のハヤテ、「ヘルシング」のウォルター、数え上げたらきりがないほど様々な執事キャラですっかりお馴染みですよね。時代によって役割は変わりつつも、現代でも存続する職種の一つでもあります。


ヴィクトリア朝時代の執事は、多くの男性使用人達を総括する最高責任者でした。男性使用人のトップとして、部下達が滞りなくサービスを提供しているか目を配り、さらに彼らの人事や育成も担当しました(ただし、主人の私的な使用人であるヴァレット(近侍)の人事は除く)。

残念ながら正体が悪魔だったり、鋼線を操ったりして、主人の護衛として戦闘することはしなかったようです。綴りも、Butlerであって、Battlerじゃないですからね。いや、きっと中にはそんな武闘派執事も居たに違いませんが!


責任は重大で、女性使用人のトップであるハウスキーパー(家政婦)と共に、二人三脚で屋敷の運営を担いました。特に主人のサポート、手紙の管理、訪問客の対応、といった辺りがバトラー(執事)の管轄でした。特に舞踏会やパーティを催す際には、その成否はバトラー(執事)の手腕に掛かっていました。

管理職なので、部下のマネジメントこそが職務の中心であり、自ら手を動かすような仕事は少なかったようです。ただし、例外がワインセラーと銀食器の管理でした。ソムリエのように料理に合ったワインを用意し、購入や保管を行うだけではなく、ワインの清澄法といったスキルまで要求されました。


バトラー(執事)よりも上位の使用人としては、スチュワード(家令)という職種もありました。主人の代理人として、お屋敷と使用人達の管理を行いました。「メイドくん」の作中では、バトラー(執事)がその役割を兼務しています。

階下の人々5:ヴァレット(近侍)

ヴィクトリア朝時代のイベントに、社交シーズンというものがあります。春から夏にかけて議会のある時期には、ロンドンに地方の貴族達が集まって、日夜、舞踏会やパーティが開かれたのです。シーズン中に滞在するための、ロンドン近郊にある館をタウンハウスと呼びます。

そして秋から冬の間は、貴族は自分達が所有している領地へと戻ります。本邸とも言えるそちらの館を、カントリーハウスとか、マナーハウスと呼びます。広大な敷地と庭園に、大きなお屋敷というイメージは、カントリーハウスの方ですね。


「メイドくん」は、社交シーズン中の地方都市を舞台にしています。そのため領主夫妻は帝都に滞在中のため、社交界デビュー前の娘だけがカントリーハウスに残っているという設定です。ついでに領主夫妻のお供でタウンハウスに行ってしまった使用人達は、まとめて出番がありません。


そんな出番のないキャラの一人が、ヴァレット(Valet)です。近侍と訳されます。上級使用人に区分され、主人の個人秘書みたいな仕事をしていました。奥様に仕えるレディースメイド(侍女)の男バージョンみたいなものですね。

主人に仕えることが第一優先となるため、フットマン(従者)と違ってお屋敷の仕事はしなくても良かったようです。また採用基準は、主人との相性が第一となりました。そのためバトラー(執事)の人事権が及ばず、主人自らが選任しました。


ちなみに使用人の人数が少なく専任のヴァレット(近侍)を雇えない館の場合は、バトラー(執事)やフットマン(従者)がその役割を兼任しました。逆にヴァレットが居てくれる場合、フットマン達の仕事はずっと楽になりました。

階下の人々4:ガードナー(庭師)

ヴィクトリア朝の田舎の屋敷(カントリーハウス)には、庭園が付きものです。現代に残されたカントリーハウスにも素晴らしい庭園は残っていて、観光客の目を楽しませてくれるそうです。ああーーーーっ、ボクも行ってみてぇええええええ!!
そんな庭園を手入れするのがガードナー(Gardener)です。日本語では庭師とか園丁と訳されるようです。もちろん見た目で楽しませるだけがガードナーの仕事ではありませんでした。菜園や温室で農作物を育てるのも、ガードナーの役割でした。コックから注文された野菜やフルーツを揃えたり、逆に食べ頃の野菜を助言したりしていました。


「メイドくん」の作中でもガードナーは存在しています。でも、アウトドアスタッフ達は、本邸とは別の離れに住んでいるという設定なので出番ありません。


同じく「メイドくん」には出てきませんが、ついでなので他のアウトドアスタッフも紹介しておきたいと思います。まず、当時の上流階級の嗜みとして、ガーデニングに並ぶ高尚な趣味として認められていたのがハンティングです。大きな屋敷であれば、狩場を備えていました。
そこで狩りの進行を助けたり、日頃から狩場や道具の手入れをしていたのがゲームキーパー(狩場管理人、または狩猟番人など)です。野菜だけではなく、お肉もゲットです。嘘です。狩りはあくまでスポーツでした。もちろん趣味としての釣りと一緒で、狩った獲物はおいしくいただいていたようです。


野菜、お肉と来たら、次は牛乳です。敷地内で牛を飼っている自給自足主義的なお屋敷の場合にだけ存在したのが、デイリーメイドやミルクメイド(酪農女中)です。インドアスタッフなのかアウトドアスタッフなのか微妙なところですが、乳搾りや、クリームやバター、チーズといった乳製品作りを担当していました。
ちなみに「メイドくん」の作中では、乳製品は敷地内生産ではなく外注という設定です。そのためデイリーメイドの役割は、キッチンメイド(台所女中)が兼務しています。

階下の人々3:コーチマン(御者)

ヴィクトリア朝時代、交通手段の中心は馬車でした。当時の英国は階級社会でしたが、メイドを雇うことが出来れば中流階級と言っても良いレベルでした。もう少し家計に余裕のある家であれば、メイドを複数人雇ったり、男性使用人を雇っていました。
そんな彼らの憧れの的。上流階級のステータスシンボル。それが自前の馬車です。自らの馬車を所有することは、中流階級の人達にとって高嶺の花でした。馬車そのものがお高い上に、厩舎や専門職の使用人を抱えることは、かなりハードルの高いことだったのです。今風に表現するなら、お抱え運転手付きの高級リムジンみたいなイメージでしょうか。


そして運転手役となる、馬車を走らせるための専門スタッフがコーチマン(Coachman)です。日本語では御者ですね。技術を要する職種なので、下級使用人の中では比較的待遇も良かったようです。馬車の運転席である御者台は、外からでも良く見えます。そのため走る広告塔の役割も期待されることから、派手で立派な制服を支給されることが多かったようです。
仕事の内容はもちろん、馬を操り馬車を走らせること。主人達がいつでも出掛けられるように、常時馬車の用意を整えていました。そして出掛けた先では、主人達の用事が終わるまで待機するか、もしくは指定の時間に迎えに上がりました。


それと馬の世話係として、グルーム(馬丁)という役職もありました。ヴィクトリア朝時代でも終盤になると、彼らは自動車の運転手や整備士に取って代わられていきました。


「メイドくん」の作中でもコーチマン達は存在はしているはずですが、本邸とは別の離れに住んでいるという設定なので出番ありません。いや、出番はあっても、立ち絵が用意されることはないと思います。仕方ないね。<ぉぃ


ちなみに自分で馬車を持てない人達がどうしていたのか。上流階級でも中の下といった人達は、貸し馬車を利用しました。貸し切りのリムジンサービスみたいなものです。中流階級の人達が利用したのが、辻馬車。シャーロック・ホームズとかでも頻繁に出てきますね。これは今でいうタクシーみたいなもので、行き先を指定するとそこまで連れて行ってくれました。
タクシーなんてとんでもない! とてもそんなお金ねーよ! そんな一般庶民の味方が、乗合馬車(オムニバス)です。22人乗りで、屋内席と屋上席の二階建てでした。バスのご先祖様ですね。


他には駅馬車や郵便馬車と呼ばれる、都市間長距離馬車も運行していました。乗合馬車には決まった停留所はありませんでしたが、駅馬車では宿屋やコーヒーハウスが駅代わりに機能していたそうです。ヴィクトリア朝は鉄道や地下鉄の登場した時代でもあるので、これらも時の流れと共に消えていきました。

階下の人々2:フットマン(従者)

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メイドの歴史を調べると、必ず出てくるのが使用人税のお話です。これは男性使用人に対して課税される税金で、女性使用人、つまりメイドには無課税でした。メイドさんが一気に普及した理由と言われています。


という訳で、男性使用人を雇えるのは、一部の上流階級の館に限られました。そして男性使用人で最もポピュラーな存在だったのが、フットマン(Footman)です。従者や従僕と訳されます。下級使用人に分類されるので、メイドの男性バージョンと表現できるかもしれません。
あ、ちなみに男性使用人として知名度の高い職種である執事(バトラー)は、上級使用人です。メイドというより家政婦(ハウスキーパー)に近い存在なので注意しましょう。ここ、テストに出ますよ!<出ません


主な仕事は、主人の身の回りの世話です。接客もします。具体的には食事の給仕や、外出先への同行、来客の案内や取り次ぎといったところです。主人やその家族、そして来客者の目に触れる仕事は、男性使用人の役割でした。そのため評価は見栄えが第一。背の高さで給料が決まるという、外見至上主義でした。ひどい、謝れ! 背の低いボクに謝れ!
すこし話を脱線してしまうと、男性使用人と違って、女性使用人が主人や来客者の前に姿を見せることは好まれませんでした。人知れず「妖精のように」仕事をすることを求められたのです。せっかくのメイドさんを見ることが出来ないなんて、何てもったいない! ヴィクトリア朝の偉い人は、大きな過ちをしていたと言わざるを得ないでしょう。<マテ


衣服にブラシを掛けたり、ブーツを磨いたり、新聞にアイロン掛けしたり、馬車を手配したりと、フットマンの仕事は広範囲に渡りました。もちろん石炭運びのような力仕事もしました。ただし、使用人が大勢居るようなお金持ちの館にしか雇われない存在だったので、何だかんだ言いながらも小さな家に雇われたメイド達に比べれば仕事は楽だったようです。


あと、ディナーや舞踏会に招待された時には、その屋敷のフットマンにチップを弾んでやる必要がありました。それをケチった客人は、フットマンに「うっかり」ミスを連発されて散々な目に遭ったようです。また業者への支払い処理なんかも担当したので、その際に商人からバックマージンを得るのは当然の権利でした。当時の日記を読むと「チップが少ない!」「あいつはケチだ!」みたいは話が満載です。いや、そんな人達ばかりではなかったとは思いますけどね!

階下の人々1:ページボーイ(小姓)

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最近はサボりがちで、ブログを更新するネタがないので「メイドくん制作中」の元ネタ解説でも晒してみようかなと思います。厨二設定ばんじゃーい∩( ・ω・)∩。ちなみに「メイドくん」は剣と魔法のファンタジー世界のお話です。なので、特定の国と時代が舞台という訳ではありません。騎士達は中世の住人だし、メイドさんが活躍したのは近世だったりするので、それだけで五百年近い誤差ががががが。そんな言い訳を前置きにした上で、まずはキャラクター達の紹介をしたいと思います。


お話に登場するメイドさん達のモデルは、もちろんヴィクトリア朝時代の大英帝国です。西暦にすると1800年代、産業革命から第一次世界大戦の間ぐらいのイメージですね。紹介するトップバッターはもちろん、メイドくんことページボーイ(Page Boy)。日本語では、小姓と訳されることが多いのかな? 少年使用人です。主な仕事は、愛嬌を振りまくこと。可愛い男のコが、半ズボン姿で働いていました。ごめんなさい。嘘です。作中ではメイド服を着ていますが、史実ではもちろんそんなことありませんでした。残念なことです。でも、人に見られることが役割なので、立派なお仕着せの制服を支給されていたのは本当です。


「可愛いは正義」を体現することがお仕事なので、人目に付かないと意味がありません。手紙の配達や、ホールの案内や荷物運びなんかをお手伝いしていたようです。その他にも、フットマン(従者)のアシスタントとして、ブーツやナイフを磨くといった雑用もこなしていました。


少年使用人の呼び方としては他に、接客担当としてはホールボーイ(ホールの案内)や、ベルボーイ(呼び出しベルへの対応)。雑務担当としてはランプボーイ(ランプや蝋燭の管理)、ブーツボーイ(ブーツ磨き)、ナイフボーイ(ナイフ磨き)といった種類があったみたいです。前者は現代日本なら、ちょっぴり高級なホテルのベルボーイがイメージに近いかもしれません。

メイドくん描いてもらいました

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ペンギンさんにスージーお姉ちゃんを描いてもらったので、お礼のラクガキ。きっと喜んでくれると思う。


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んで、ペンギンさんに描いてもらったスージーお姉ちゃん。


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同じくペンギンさんに描いてもらったリリー。スージーお姉ちゃんの妹という設定です。


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同じくフレデリック先輩。滅多に感想なんてもらえる機会ないんですが、それでも極々たまにはコメント頂戴できちゃったりするですよ。なんか密かに人気あるんですよね、フレデリック先輩。あ、逆に主人公のコリンくんについては感想もらえたことありません(笑。


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そんなペンギンさんに、necoさんの描いてくれたギィくんから一言。

夏コミでメイドくん配布します

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また今年も夏コミで、メイドくんの新作配布します。8月15日(土)東V03bのサークルNGです。今までパッケージ詐欺の名をほしいままにしていましたが、今回からはイベント絵以外もSIGEさんテイストに描き直してみました。
あと立ちキャラの表情パターンをswfにまとめたり、ユーザー関数を実装してもらいました。Cのアトリエさんありがとうございます! これでソースもすっきりです。作る人が便利になっただけで、遊んでくれる人からするとあんまり意味ないんですけど!

とりあえず例によって未完成なので無料配布ですが、余って持ち帰るのは哀しいので手に取ってやってもらえれば嬉しいです。

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IRCでpenguinさんにメイドくんを描いてもらいました。描いたのがペンギンさんというだけで、禍々しいオーラが漂ってくるよーです。絶対こいつ背中に包丁とか隠し持ってるよ!

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ozwaldさんにも描いてもらいました。これわひどい(;´Д`)。

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ベースになったSIGEさんのラフ。さいあくだ(;´Д`)。

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夏コミで「メイドくん制作中」のver0.2を配布するですよ。相変わらずギリギリです。明日(8月16日)の西館「い-24a」サークルNGまでどうぞ。今回は、第二話の最後まで収録してあります。無料配布なので、西館にお立ち寄りの際には是非手に取ってあげてくださいませ。
ちなみに背景の一部とか間に合いませんでした。しくしく。修正版はそのうちこのWebサイトでも公開予定です。

夏コミに申し込みました

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夏コミ申込みの季節なのですよー。ということで、サクっと登録しました。オンラインになったおかげで、申込みも楽ちんになったのです。紙の時と違って同じことを何ヶ所にも書く必要がないし、その上、前回の記入内容がそのまま継続できるし。
そんなこんなでサークルカット。使い回しですとも、はい。4コマからパクってきてカット用に加工してみました。あとは中身を作るだけー。でも8月は遠すぎてなかなかモチベーションが維持できないのです(ι´ー`)。んー、5月のコミティアに参加すべきかどうか悩むー。

豊胸?

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描きかけ。

描いてる途中に完成したときには表示しないレイヤーを作って遊んでみたり。設定では胸が無いんだけど、豊胸レイヤー追加ーみたいなー。

ところで、ブログ記事の書き方が良く分かりませんw

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2007年の冬コミで無料配布した「メイドくん制作中」の第2話前半をWebサイトで公開しました。ヘイウッド家のメイドさん達が本格的に登場してくる後半部分は、まだ作成中ですのでもう少々お待ちくださいませ。

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2007年の夏コミで無料配布した「メイドくん制作中」の第1話をWebサイトでも公開しました。1話30分程度でWebブラウザからそのまま遊べるので、お手軽に楽しんでもらえれば嬉しいです。感想もらえれば、もっともっと嬉しいですよ!

夏コミでの配布版との違いは、細かいところをちょこちょこっとバージョンアップしていたりします。あとは、脳内設定の言い訳満載の「あとがき」が省略されているぐらいです。

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